知らない、天井

「っ!」

殺風景な天井

見たことのない天井

「・・・知らない天井だ。」

僕は、なにをしたんだろう・・・。

たしか、父さんによばれて、それから・・・たしかエヴァに乗って・・・。

・・・だめだ、思い出せない。

『シンジ君、入るわよ。』

「あ、はい。」

「おはよう、もう退院していいそうよ。よかったわね。」

「はい。」

「でね、シンジ君がこれから住むところなんだけど・・・。」

「僕一人で住むんですか?」

「そうなるわ。シンジ君、それでいいの?」

「いいんです。どこでも同じですから。」

「そう・・・。」




「ん〜〜、ねえシンジ君、あのさ・・・。」




『なんですって!!シンジ君といっしょに住む?』

「そうよ。ちゃんと上の許可も取ったし・・・安心して、子供は襲わないから。」

『当たり前でしょ!!ミサト!!だいたい、あなたは昔から・・・』

「やれやれ、ジョークの通じないやつ・・・。さっ、シンジ君、行きましょ。」

「あ、はい。」



「げっ、そういえば昨日、車ボコボコになってたのよねぇ、、、。」

たしかに・・・傷だらけ・・・。

「まっ、しゃーないわ。さっ、シンジ君乗ってのって。」

「はい。」

「もぅ〜、さっきから「あ、はい」ばっかりじゃない!

なんかほかのこと、しゃべりなさいよぉ〜。」

「う・・・はい。」

「またぁ。せめて「はい」じゃなくて「ウン」ぐらい言いなさいよ。」

「え、あ、う、うん・・・。」

「OK,OK!いいじゃなぁ〜い。さっ、行きましょ。」

「えと、う、うん。」

はぁ、いままで「うん」なんて言ったことないから、なんか疲れる・・・。

そ れでミサトさんが喜ぶならいいけど・・・。

「ね、シンジ君、ちょっち寄り道するわよ。」

「え、うん・・・。」

寄り道って、どこに行くんだろう・・・。

着いたとは、高台だった。



「ミサトさん、第3新東京市って、何もないところなんですね。」

「もうすぐね・・・。」

「えっ?」

ああっ!!

「ビルが生えていく!!すごい!」

「ここが、私たちの街。そして、あなたが守った街よ・・・。」

「そんな、守っただなんて・・・。僕はなにもしてないのに・・・。」

そう言うと、ミサトさんは、苦笑いみたいな笑い方をした。



「さっ、着いたわよ。じつは、私も昨日ここに来たばぁっかなのよねぇ・・・。

ちょっち、ちらかっているけど気にしないでねぇ。」

「え、う、うん。」

「さ、入ってぇ。」

「あ、お、おじゃまします・・・。」

「シンジ君、ここはあなたの家なのよ!」





「た、ただいま。」

「おかえりなさい。」

ミサトさんは、笑顔で言ってくれた。こんなこと、初めてだった・・・。

家に入ると・・・『ちょっち』どころじゃなく、ちらかっていた・・・。

「これが・・・ちょっち・・・?」

「ゴメン、ちょっと荷物を冷蔵庫にいれててくんない?」

「はい。・・・あ、う、うん。」

「じゃ、よろしくぅ〜。」

冷蔵庫、先生の家より大きいな、、、。

「中身は、・・・ビールに、氷に、つまみ・・・か。いったい何食べているんだろぅ・・・。」

これじゃ、荷物はいんないよ・・・。

「あれ、ミサトさん。こっちの大きい冷蔵庫はなんですか?」

「あ〜、それ?そっちはいいの。もうすぐ起きると思うから。」

起きる?なにが入っているんだろう・・・。

『プシュゥ』

とてててててててててててて

えっ、ペンギン?

「あ、あのミサトさん、今の・・・なんですか?」

「あ〜、あれ?彼ねぇ、新種のペンギン。温泉ペンギンのペンペンって言うの。

よろしくねぇ。」

「は、はぁ・・・。」

なんかペンペンがこっちを見てる・・・。

「さ、シンジ君。ご飯にしましょ。」

「え?あ、うん。」

「なぁ〜んで、どもるかねぇ。」

「え、あ、ごめんなさい。」

「あやまらなくていいのにぃ。ほら、さっさとご飯たべましょ。」

「う、うん。」

ご飯って、レトルト?もしかしていつもこうなんだろうか・・・。

「ん、ん、ん、ん、ん、・・・カァ〜〜〜〜〜〜ッ!!

やぁっぱ人生、このために生きてるもんよねぇ〜!!

って、食べないの?けっこういけるわよぉ。レトルトだけどぉ。」

「あ、いえ。こいうの慣れてなくて。」

「だぁっめよ!!好き嫌いしちゃぁ!!」

「い、いえ。ちがうんです・・・。」

「ふふ〜〜ん。楽しいでしょ、こうやって人と食事するの。」

「え、うん。」

そう言ってミサトさんは、にこぉ!!と笑った。

こんなに美人なのに、独身なのは、ズボラだからだろう・・・。

「シンジ君、ご飯食べ終わったら、お風呂に入ってきて〜。」

「うん。」

「ふふ〜〜ん、だいぶどもらなくなったわね。」

「そうですか?」

僕はそう言って少し微笑んでみた。

「うん。お風呂、入る?」

「あ、うん。」

「たぶんペンペンがいると思うから。」

「え・・・。わ、わかりました・・・。」

「ゆっくり入っていいからね。風呂は命の洗濯よ!!」

命の洗濯・・・か。

「あ、ペンペン。」

「クワァ」

ペンペンといっしょに湯船につかったら、足がのばせなかった・・・。

「ペンペン、もうちょっと向こうに行ってくれない?」

「・・・くわぁ。」




「・・・命の洗濯・・・か。でも、風呂に入ると、イヤなことを、

思い出すことが多いんだよね・・・。」

僕は、昨日のことを、少し思い出していた。

エヴァ、使徒、父さん、そして・・・綾波。

「イヤだ・・・。思い出したくない・・・。」

さっさとあがろう・・・。



「ミサトさん、あがりましたよ。」

「ん〜?はいはい。あ、シンジ君、空き缶捨てといて。」

「うん。」

「んじゃ、よろしくぅ〜〜。」

そう言ってミサトさんは風呂に行った。



「以外に元気じゃない・・・。見透かされているのは、こっちかもねぇ・・・。」



「空き缶・・・多すぎだよ・・・。」

そこには、ピラミッドのようにビールの缶がおいてあった。

「机まわりも汚いなぁ・・・。」

ちょっとかたずけよう。





「ん、ん、ん、ん、ん、ん、ん、カァ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!

やぁっぱ、風呂あがりはこれよねぇ!!あれ?キレイになってる。シンジ君、ありがとう。」

「あ、どういたしまして。これからは、

ミサトさんもしてくださいね・・・ってなに逃げているんですか?」

「い、いやぁ、べつにぃ・・・。」

「ならいいんですけど・・・。」

「そ、それよりさ、決めないといけないことがあるんだけど・・・。」




「じゃんけん、ポン!!ポン!!ポン!!  やったぁ、勝っちゃたぁ!!金

曜日の夕ご飯は、シンジ君ねぇ。」

「う・・・うん。」

「さ、これで当番もALL・OKねぇ!」

「って、ほとんどが僕じゃないですか・・・。」

「い〜じゃない、公正な、じゃんけんで決めたんだからぁ。」

「う・・・ん。」

「あ、そうそう。はい、これ。」

そう言って僕に渡したのは、携帯電話だった。

「あ、ありがとうございます。」

「もう、ネルフと家の番号は入れてるから。」

「ぁ、ありがとうございます。」

「それと、明日から学校に行けるから。」

「明日からですか?」

「そうよ。でも、行けないときもあるから我慢してね。」

「わかりました。」

「ん、じゃあね。おやすみ。」

「おやすみなさい。」


「学校かぁ・・・。」






「ん、もう11時かぁ。そろそろ寝なくちゃ・・・。」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「シンジ君?」




「どうしたの?大丈夫?」

「ミサトさん・・・大丈夫・・・です・・・。」

シンジ君、昨日のこと思い出したのね・・・。

「無理しなくていいのよ、シンジ君。辛かったら、すぐに私に言って。」

「うん・・・。ごめんなさい・・・。」

「あやまらなくていいのよ・・・。もう大丈夫?」

「・・・うん。」

「おやすみ。」

「おやすみなさい。」

「それと、シンジ君。あなたは、人にほめられることをしたのよ・・・。

胸をはっていいわ・・・。がんばってね。」




部屋に戻って、寝ようと思ったら、いきなり昨日のことを思い出してしまって・・・。





「初号機、完全に沈黙!!」

「なんですって!!」

「シンジ君!!」

そのとき・・・

初号機の目が光った。

「初、初号機、再起動・・・。シンクロ率、270%です・・・。」

「そ、そんな・・・バカな・・・。」

それから初号機は、使徒を蹴る、殴るの繰り返した。そして・・・

「まさか・・・自爆!!」

使徒は、自爆。

初号機は、ATフィールドを使い、使徒のみが爆発。初号機は、無傷だった。

『パイロット、心音を確認!!』

「これが・・・エヴァ?」

リツコが、愕然として言った。


「っ!!」

ここは?たしか・・・エヴァに乗って・・・それから。

そう、たしか目にものすごい衝撃がはしって・・・それで、気を失って・・・。

そのとき、ふと横にあるビルを見てみた。

すると、初号機の顔の装甲がとれて・・・その下にあった目が、僕を見て・・・


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

僕は、ただ叫ぶしかできなかった。

ただ叫ぶことしかできない・・・子供だった・・・。




ミサトさんが出ていったあと、僕は、あることに気付いた・・・。









「ここも、知らない天井だ・・・。」



               
《第弐話に続く》




               


−−−−−あとがき−−−−−

ども。とよです。



この小説について・・・。

1,この小説は、私が、かってに想像してつくってます。目標は、

TV版の補完です。(あくまでも目標です・・・。)だから、TVとはちがくなっ

ていきます。あと、セリフも省略してます。

2,この小説は、シンジ×レイ&カヲル×アスカです。たぶんベタベタにはな

らないと思います。多分・・・。(おい!)




なんかあとがきっぽくなかったですね・・・(汗汗)



読んでくれて、ありがとうございました!!

でわ、これからもよろしくお願いします〜☆


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