透明な世界


この灰色の世界に


ある少年がいた





その少年は


不思議な力があり


彼の願いは全て


叶った



周りの人々も


少年の力に驚き


ただ、ただ、


彼に彼らの『願い』を


神の様に


不思議な『術』で


幸福を与えてもらうしかなかった






彼の純粋な願いは


透明な雫となり


それを空に向かって投げた




すると、何故か


曇っていた空が晴れていき


優しい日差しと暖かな空の青みが


彼らを包んだ



そう、それはまるで


子供の成長を願うかの母親の様な


透明な優しさのように










しかし、ある日少年は



騙され


脅され


悲しみ


怒り


笑顔や


嬉しさを


心の奥に


しまい込んでしまった




それは、


彼の心の純粋さを


深く、一生の傷にするのに


あまり時間はかからなかった




その日を境に


彼は『神の術』を


使えなくなってしまった



しかし、彼の事を


心から愛し、


信頼し、


彼もそのように思った瞳の大きな女の子


彼女の為ならば


術は使えた







その『術』は、


心の豊かな、幸せな、


聖なる者しか使えない業





もし貴方が


この世で一番愛する者を守ったとき、


その神の術は使われているのかもしれない










透明な世界で起きる、聖なる業、


貴方にしか出来ない


『守る』という愛の形−・・・











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